薄力粉や皮付きの鶏肉、デミグラスソースなど、アメリカではなかなか買えないことをご存じでしょうか。今回はそんな、アメリカではめったに売っていない食べ物をご紹介します。
薄力粉
日本で一般的な薄力粉は、実はアメリカでは一般的ではありません。
アメリカで流通している小麦粉の特徴は以下の通り。最も一般的な小麦粉はAll Purpose Flourです。パンから焼き菓子まで幅広く使用することができます。しかしながら、口当たりの軽いケーキやさっくりとしたクッキー等の焼き菓子、さくっとした天ぷらなどには適していません。
| アメリカの分類 | グルテン含有量 | 主な用途 | 該当する日本の小麦粉 |
| Bread Flour | 12 ~ 16% | パン | 強力粉 |
| All Purpose Flour | 10 ~ 12% | パン・焼菓子・料理 | 準強力粉~中力粉 |
| Pastry Flour | 8 ~ 10% | 焼菓子・料理 | 中力粉〜薄力粉 |
| Cake Flour | 7 ~ 8 % | ケーキ・菓子 | 薄力粉 |
上記の通り薄力粉にあたるものはCake Flourと呼ばれるものですが、これがなかなか売っていません。そもそも製造しているメーカーが少ないだけでなく、商品として取り扱っていないスーパーも多くあります。ここでは、どんな商品があるのか、どこで購入できるのかを紹介します。
●Swans DownCake Flour
使用した限りで一番薄力粉に近いのがこちらの商品です。Amazonでも購入できます。


●KING Arthur
アメリカの有名製粉ブランドの一つ、KING ArthurのCake Flourです。小麦粉の他、小麦でんぷんが添加されていますが十分薄力粉として使うことができます。

●H-E-B organic cake flour
テキサス州にお住いの場合、H-E-BでH-E-BのプライベートブランドのCake Flourもおすすめです。H-E-B系列のCentral Markでの販売率が高いです。グルテン含有量が少し高めですが、十分薄力粉として使用することができます。


●Pastry Flourで代用
若干グルテン含有量が多く、焼き上がりが固くなりますが、 最終手段としてはPastry Flourでも代用可能です。
肉類
合いびき肉
アメリカでは、合いびき肉はほとんど販売していません。合いびき肉が欲しい場合、牛、豚のひき肉を自分でブレンドする必要があります。牛、豚をそれぞれ購入すると結構な量になる&面倒なので合いびき肉はめったに使用しなくなりました。
(全く売っていないわけではないですが、以下商品以外見かけたことはありません。おいしいのに…)

薄切り肉
しゃぶしゃぶや野菜炒めに活躍する薄切り肉は基本的にアメリカ系スーパーで手に入れることはできません。日本食スーパーやアジア系スーパーで購入する必要があります。ちなみにコストコでは時々、5mmぐらいの厚さのお肉であれば売っていることがあります。

皮付きの鶏肉
鶏肉は皮が取り除かれた状態で売っています。個人的には皮なしはヘルシーでうれしいですが、夫は鶏皮のジューシーさが恋しいようです。また、唐揚げのレシピで「肉を皮で包むように丸めてから揚げる」、ソテーで「皮目から焼く」と書かれているのを見ると少し寂しい気持ちになります。なお、手羽中、手羽元等の骨付きのお肉は皮がついた状態で販売されています。

ちなみに、アメリカではもも肉(写真右)よりも胸肉(写真左)のほうが高価です。鶏肉は良質なたんぱく質を摂取できる健康食品的位置づけで、脂質が少なくヘルシーな胸肉のほうが人気があるため、高価なのだと思います。

デミグラスソース
個人的な一番の大誤算は、デミグラス缶が売っていないことでした(衝撃)。あのデミグラス缶が有名なハインツ、アメリカの会社なのに。牛肉社会なのに。ハインツのケチャップは探さなくてもどこにでもあるのに。
よくよく考えてみると、デミグラスソースはフランスの料理で、アメリカで一般的なのはグレービーソース。売っていないのも頷けます。ただ、渡米したばかりのころはデミグラスが売っていない現実を受け入れられず、あらゆるスーパーを探し回ってしまいました。
「日本食スーパーならあるのでは!」と店舗を巡った限りでは、ビーフシチューはなく、ブラウンシチューとハヤシライスのもとを販売していることが多い印象です。一つの店舗ではデミグラス缶が販売していましたが、小さい&高価な商品でした。ハンバーグにかけるだけならともかく、シチューを作るにはいくらかかるんだ?といった感じで手が出ず。とはいえデミグラスな味は恋しいので、ハヤシライスのもとでなんとかしのいでいます。
生で食べられる卵
ご存じかもしれませんが、アメリカ(というよりも日本を除くほとんどの国で)で一般的に売られている卵は生で食べることができません。サルモネラ菌による食中毒のリスクがあるためです。日本では、出荷前の殺菌処理および流通時の徹底された温度管理等によって生の卵を食べることができるのだといいます。
ということで、基本的には生で食べることができませんが、唯一【Pasteurized eggs(低温殺菌卵)】だけは生で食べることができるとされています。Pasteurized eggsとして有名なのが以下の商品。スーパーでは必ず卵コーナーをチェックするようにしていますがまだ出会えていない、幻の卵です。
●Davidson’s Grade AA Cage Free Pasteurized Large Eggs, 12 ct

また、似たような商品として【Pastured Eggs】がありますが、放牧卵、平飼い卵という意味で、低温殺菌卵とは別物ですので注意してください。綴りが似ているので低温殺菌卵だと思って生で食べていた、という話をよく聞きます。

いかがでしたでしょうか。渡米当初は微妙な食文化の違いに困りましたが、販売店舗を把握したり、代用品をうまく活用したり、時にはあきらめたりしながら、少しずつ慣れていきました。この記事が何かのお役に立てれば嬉しいです。

