アメリカで生活するためになくてはならないものの一つに自動車があります。
夫の通勤用の車は会社から支給されましたが、それはあくまで通勤用。私は車がなくてはどこにも行けない場所に住んでいるので、2台目の購入が必要不可欠でした。
納車までの流れ
アメリカで中古車を購入する方法はざっくり分けて以下の4つあります。
- 中古車専門ディーラーで購入
 - 新車ディーラーの正規中古車部門で購入
 - インターネット等を通じた個人売買
 - 前任者や知人からの譲渡
 
私たちは今回日本人向けに営業している1.中古車専門ディーラーで購入しました。特に、初めての車購入ということもあり、自動車保険以外のすべての手続きをまるっとディーラーにお任せしています。陸運局への登録申請などは自分でやれば手数料を節約できますが、少なくとも初めての車の購入の際はディーラーへお任せしてしまうのが安心です。
- ホームページより問い合わせ(複数社)
 - 試乗
 - 購入手続き、頭金の支払い
 - 自動車保険の手配
 - 納車
 
納車にあたっては、基本的に自動車保険の保険証書をディーラーへ提出する必要があるので、購入する車が決まり次第すぐに、自動車保険の検討を始めておくと安心です。
なお、ディーラーにもよると思いますが、頭金の支払い後納車までに2週間を要しました。渡米後すぐに車が必要な人は、整備や各手続き期間も逆算し早めの行動をおすすめします。良い車に出会えるとも限りませんので、ホームページにてよさげな車を見つけた場合は、試乗はスキップして日本にいるうちに購入を済ませておくのも一つの手だと思います。
実際にかかった費用
今回購入したのは、3年落ちの日本車SUV。走行距離は約1万マイルと控えめでした。
車両価格は27,000ドル、そのほか諸費用や税金が1,850ドル、ドラレコ関連費用が550ドル、自動車保険料は2,200ドルの計31,600ドルほどかかりました。
余談ですが、ドライブレコーダーは個人情報保護の観点からつけない人も多いらしく、日本ほど普及していないようでした。私は不安なので、迷うことなく取り付けました。
自動車保険について
アメリカでは、州ごとに最低限入らなければならない補償(強制保険)が定められています。日本のように、自賠責保険と民間保険にそれぞれ加入するのではなく、定められた最低限の補償を満たす一つの民間保険に加入し、そのほかの補償を任意で追加する形で加入します。
以下にて強制保険部分と、任意保険部分の詳細についてご紹介しますが、あくまで一般論や個人の考えであること、加入時期や保険会社により補償が異なること等から、実際の補償内容等については保険会社や代理店等へご確認ください。また、日本語はあくまで私がつけた呼び方ですのでご容赦ください。
強制保険
- 賠償責任保険(Liability coverage)
 
州により異なりますが、2025年10月時点で、テキサス州では以下の通りの保険加入が義務付けられています(実際の補償については保険会社や代理店へ確認をお願いします)。こちらはあくまで最低金額なので、より高い金額での設定をおすすめします。なお、日本のように無制限の設定はできません。より手厚い補償を求める場合は、のちに記載するアンブレラ保険の加入により備えることができます。
*対人:1人あたり30,000ドル/1事故あたり60,000ドル
*対物:25,000ドル
任意保険
- 限定車両保険(Collision coverage)
 
衝突事故に限定して、保険金が支払われる車両保険です。保険金額は車の価値までです。
- 包括車両保険Comprehensive (other than collision) coverage
 
火災や盗難など、衝突事故以外でも保険金が支払われる車両保険です。
- 人身傷害Personal injury protection (PIP) coverage
 
運転者や同乗者が自動車事故で怪我を負った場合の治療費や逸失利益などの補償です。医療保険と被りますので、海外旅行保険が充実していて、保険料を抑えたい場合はこちらを削除することも可能です。
- 無保険車保険Uninsured/underinsured motorist coverage
 
事故の相手が保険に加入いない場合等で、十分な賠償が受けられない場合の医療費や修理費を補償するものです。ひき逃げもこちらで補償されるようでした。
- レッカー費用等諸費用Towing and labor coverage
 
運転不能になった場合のレッカー費用、パンク時のタイヤ交換やバッテリー上がりの際にかかる人件費を補償するものです。
- レンタカー費用Rental reimbursement coverage
 
事故時や盗難時のレンタカー費用を補償するものです。
アンブレラ保険とは
アンブレラ保険とは、自動車保険や住宅の火災保険、ペット保険など、他の保険金額の上乗せとして加入できる保険です。「傘」のように、他の保険の上にかぶせる形で補償を受けられるため、アンブレラ保険と名付けられています。前述の通り、アメリカでは対人、対物賠償の保険金額上限が定められています。これでは万一の事故の際に保険金額が不足する可能性も否定できません。その不足分を補うことができるのが、アンブレラ保険です。
加入の際は2種類以上の保険に加入している等条件があります。また、あくまで上乗せの立ち位置なので、そもそもの他の保険の保険金額が十分である必要があります。保険料は年数千円~数万円と高くはありませんが、無駄払いとなる可能性もあるので加入の際は十分な検討が必要です。
私は自動車運転にも不慣れな点、慣れないアメリカで不安は最小限にしたいという点から、お守りの意味も込めて加入しました(自動車保険と火災保険での上乗せ)。
納車後に気を付けること
- 所有権証明書の車外保管
 
納車後、陸運局への登録が完了すると所有権証明書(Vehicle Title)は必ず自宅等の車外に保管します。売買の際に必要なため、紛失しないよう大切に保管しましょう。
- 詐欺への注意
 
また、陸運局への登録が完了後1~2か月間はさまざまな請求書が届きます。支払いがされていないので補償が開始していない、手続きが未了なので指定の番号に電話をかけろ、など。見覚えのないものは基本的には全て詐欺ですので、支払ったり、電話をかけたりせずに破棄するようにしましょう。我々のもとにも10通弱届きました。

車社会ということもあるのか、購入に関する手続きはサクサクと進みました。
最初はアメリカで運転なんて、と思っていましたが、やはり車があると行動範囲も広がり快適で、いまではなくてはならない存在です。

  
  
  
  
