海外在住の日本人でも日本の国政選挙に参加できる「在外投票」という制度はご存じでしょうか。今回は、実際に2026年2月の衆議院選挙で在外投票を体験したので、その流れや感想をまとめてみます。
在外選挙制度とは
在外選挙制度とは、海外に住んでいる人が、外国にいながら国政選挙に投票できる制度のことです。これによる投票を在外投票といいます。在外投票ができるのは、日本国籍を持つ18歳以上の有権者で、在外選挙人名簿に登録され、在外選挙人証を持っている人です。
在外投票をするための準備
在外選挙人名簿への登録
在外投票を行うにあたり、必要なのが「在外選挙人名簿」への登録です。これは海外に住んでいる日本人が選挙に参加するための名簿で、登録すると「在外選挙人証」というカードが発行されます。海外に住所又は居所を定めて3か月以上滞在する日本人が対象で、旅行者は在外選挙人名簿へ登録することはできません。発行には時間がかかるため、選挙公示後の申請では間に合わない可能性があります。あらかじめ申請を行っておくと安心です。
登録方法は主に2つあります。
- 日本を出国する前に市区町村の役所で申請する(出国時申請)
- 海外にある日本大使館・総領事館で申請する(在外公館申請)
私の場合は、国外への転出届を出した際に、当該役所の選挙管理事務局にて在外選挙人登録申請を行いました(出国時申請)。パスポートを持って行き、窓口で以下の申請書を書くだけだったので、思っていた以上に簡単でした。
在外公館申請の場合も同様で、申請書とパスポートにより手続きが可能です。代理人が申請を行う場合は、別途申出書(委任状)が必要となります。

在外選挙人証の受領
在外選挙人証の受け取り方法は、1.大使館で直接受け取り、2.郵送受け取りの2パターンです。
私は郵送を選択、以下の選挙人証と手引きが送られてきました。必要になるときが来るまで、大切に保管します。



実際に投票へ
選挙が公示されると、大使館や領事館で在外投票ができる期間が発表されます。日本国内の投票日よりも前に行われることが多いので、日程は事前に確認しておく必要があります。
以下が実際の在外投票の可能な大使館/領事館と受付日時の一覧です。2026年2月の衆議院選挙は公示日から投票日までが極めて短く、それに伴い在外投票できる日数は3~6日と大変短く設定されていました。今回、郵便投票は間に合いそうにないので、領事館へ直接投票に行くことに。私が投票したのは1月31日の土曜日。在外投票可能日の中で唯一仕事が休みの日であり、多くの人が投票に来ていました。


投票の流れ
投票当日は、在外選挙人証とパスポートを持参しました。投票の流れは以下の通りです。
- 渡された茶封筒に、自らの選挙管理委員会の住所を記入する
- 在外選挙人証とパスポートを提示し、投票用紙(小選挙区、比例代表、国民審査の3枚)と封筒(投票用紙1枚につき2通)を受け取る
- 投票用紙を記入し、それぞれ二重に封筒に入れ封をする
- 投票用紙を入れた封筒3通と、1.で作成した茶封筒を担当者へ渡す
- 担当者が封筒を茶封筒にいれ、見届け人が署名をし、手続きが完了
外務省を通してすべての投票者の茶封筒がまとめて日本に送られ、その後各選挙管理委員会へ送付されるようです。驚いたのは、投票用紙を2重に封筒に入れる点と、すべての選挙区の立候補者の一覧がかかれたファイルが用意してあった点です。日本国内での投票の際は、投票台に立候補者の一覧があるので正確に名前を覚える必要はありませんが、今回はしっかり覚えていかなければ、、と意気込んでいたのですが、その必要はありませんでした。
投票をして感じたこと
多少手続きの多さは感じたものの、思っていたよりもスムーズに手続きが完了し、安心しました。
また、海外で生活するようになってから、日本で暮らしていた頃に比べて日本の政治や経済について考える時間が減っていたことにも改めて気づかされました。今回の在外投票は、日本とのつながりや自分の一票の意味を見つめ直すきっかけとなり、とても有意義な体験だったと感じています。
海外にいながら日本の選挙に参加できることは非常に貴重な仕組みであり、その制度には感謝しています。一方で、投票できる日数の短さや、公館まで足を運ぶ必要がある点にはややハードルの高さも感じました。
在外投票のススメ
もし海外に住んでいて、「自分はもう投票できない」と思っている人がいたら、ぜひ一度在外投票制度を調べてみてほしいと思います。手続きは少し時間がかかりますが、一度登録してしまえば、その後の選挙で投票できるようになります。海外にいても、日本の未来に参加できる貴重な仕組みです。選挙があるぞ!となってからでは間に合わない場合もあるので、今すぐにでも登録申請を行うことをおすすめします。

もしまた選挙があった場合も、しっかりと投票所に足を運びたいと思います。海外にいながら日本の政治に関わるこの体験は、思っていた以上に特別なものでした。

