日本発、JAL(日本航空)グループが手掛ける国際線専門のLCC、ZIPAIR(ジップエアー)。近年その安さとシンプルさから、人気を増しています。そんなZIPAIRに8回乗っている筆者が、ZIPAIR の魅力や心得をご紹介します。
ZIPAIRってどんな航空会社?
「JALの安心感」と「LCCの合理性」を掛け合わせた新しいタイプの航空会社です。現在(2026年)は成田を拠点に、ソウル、バンコク、シンガポール、ホノルル、そしてロサンゼルスやサンフランシスコ、ヒューストン、バンクーバーといった北米路線など、世界約10都市路線を就航しています。燃油サーチャージは無料でわかりやすく安価な価格が魅力で、機体はJALやANAでも使用しているボーイング787なので安心です。
LCCなので、機内食や手荷物、座席指定がすべて有料。最低限のサービス+オプションとすることで、低価格を実現しています。ほしいものをほしい分だけ、これがZIPAIRの原則です!
ZIPAIRの魅力
1.圧倒的なコストパフォーマンス
- 燃油サーチャージがいつでも0円
- 航空券代+諸税のみ。購入手続きを進めていくと終盤で燃油サーチャージが足されて結局高額に!といったわずらわしさがなく明瞭な価格でわかりやすいです。
- 直前でも破格の可能性がある
- 予約の空きが多いと、搭乗日直前でも最安値と同額で購入できる場合があります。実際、前日に最安値チケットを取ったことがあります。
- 「ZIP Full-Flat」が破格
- 他社ビジネスクラス相当のフルフラット席が、エコノミーに少しプラスした程度の価格で乗ることができます。
2.業界をリードするデジタル環境
- 完全無料のWi-Fiサービス
- 全席無料で機内Wi-Fiサービスを利用できます。特に2026年春から超高速Wi-Fi「Starlink(スターリンク)」を導入。まだ搭載機体は少ないですが、該当機体にあたれば空の上でもYouTube視聴やオンラインゲームを楽しむことができます。もちろん、通常の機体でもデータ容量の少ないSNS等は問題なく使用可能です(時間や機体により接続状況に揺らぎがあります)。
- 機内エンタメも自分の端末で
- モニターを廃止した分、機内Wi-Fiを通じて動画や雑誌を無料で楽しめます。フライトマップも観られます。
- スマホ一つで完結
- 機内食や免税品の注文は、席に座ったまま自分のスマホからQRコードで注文・決済するスタイルです。最低限のやり取りで、気疲れすることもありません。
3.静かで落ち着きのある機内環境
- 不必要なサービスがない
- 大手のように何度もドリンクワゴンが回ったり、食事を配ったりしないため、機内が非常に静かです。
- 寝たい時に寝られる
- 食事の時間が一斉ではないため、自分のタイミングで寝たり仕事をしたりでき、誰にも邪魔されない時間が過ごせます。消灯時間も長いため、特に眠りにはうってつけです。
- トイレが空いている
- フルキャリアで特にトイレが混むタイミングはドリンクサービスや機内食の後。ZIPAIRにはこれらのサービスがないのでトイレの利用時間が分散され、混みにくい傾向にあります。ドリンクワゴンで通路をふさがれている時間もなく、気軽に席を立てるのも魅力の一つです。
ただしデメリットもあり…ドリンクサービス等のイベントがない分、時間の経過が遅く感じる場合があります。
気になる座席は?(2種類)
1. ZIP Full-Flat(ジップ・フルフラット)
ZIPAIRはLCCにもかかわらず、180度パタンと倒れるフルフラットシートがあります。価格は北米路線でも20~30万円程度。大手航空会社のビジネスクラスに近い体験が、その3分の1〜半額程度の価格で叶います。

2. Standard(スタンダード)
いわゆるエコノミーですが、座席の間隔(シートピッチ)は約79cm。これはJALやANAのエコノミーとほぼ変わらない広さです。モニターはありませんが、テーブルや充電ポート(コンセント、USB-A)はあり、リクライニング機能もあります。


空席がある場合、搭乗後に追加費用を払うことで席の移動が可能です。隣に人がいない席を選択すれば、より快適に過ごすことができます。
手荷物の規定は?
1. 機内持ち込み手荷物(無料範囲と注意点)
ZIPAIRの機内持ち込みは、合計2個まで。重さのルールは厳格です。
- 重さ:合計7kgまで無料
- 「身の回り品(リュックなど)」+「規定サイズ内のキャリーケース」の合計です。
- 7kgは意外とあっという間です(ノートPCや本を入れるとかなりギリギリ)。
- サイズ制限:
- 1個目:55 × 40 × 25 cm 以内
- 2個目:35 × 45 × 20 cm 以内
- 【裏技!】7kgに収まらない場合:オプションの事前購入がおすすめ!
- 「7kgじゃ絶対足りない!」という人は、事前に「機内持ち込み手荷物追加(+8kg)」というオプションを購入できます(出発の24時間前まで)。価格は【2,000~5,000円】程度。当日空港でオーバーが発覚すると、「預け荷物」に回されるので、不安なら事前購入が鉄則です。預入手荷物となった場合、【4,000円~11,000円+事務手数料1,000円】が発生します。

搭乗当日、カウンターにて機内手荷物重量の確認を受けることができます。7kg以内であることの目印として、以下のようなシールを荷物に貼ってもらえるので安心して搭乗できます。

2. 受託手荷物(預け荷物:すべて有料)
LCCなので、無料の預入手荷物の枠はありません。 荷物を預ける場合は、1個目から料金が発生します。重さは預入手荷物1個あたり30kgまで。一般的な国際線エコノミーの23㎏よりも重量制限が緩いのが、ZIPAIRの魅力です。
機内食はどんな?(事前予約が基本!)
ZIPAIRには、無料の機内食サービスはありません。 食べたい人だけが、好きなものを注文するというスタイルです。
- メニュー例:酢豚、カレー、牛丼、冷やし天ぷらそばなどをお弁当スタイルで。温かい食べ物は温かい状態で提供されます。カツサンドは冷たいです。
- 価格帯: 1,500円〜2,500円程度。
- 注意点:当日選べるメニュー数はかなり少ないので、 基本的には出発の72時間前までの事前予約がおすすめです。事前予約の場合、いろはすのミニペットボトルが無料でついてきます。




事前購入の場合は、以下の通り追加の飲み物を割引価格で購入できます。なお、事前購入で飲み物が在庫切れの場合でも、当日機内で購入できることがほとんどですので安心してください。また、機内食を運んでもらう時間も選ぶことができます。


このほか、当日機内で辛ラーメンやどん兵衛等のカップ麺(500円)、キットカットやアイスクリーム、お酒等も購入できます。辛ラーメンを誰かが頼むと機内に辛ラーメンの香りが漂うため、おなかがすきます。
パッケージ
おそらく多くの方が利用しているのが以下のパッケージプランです。
1. Value(バリュー)
預入手荷物ありならこちらがおすすめです。
- 事前座席指定
- 預入手荷物(1個・30kgまで)
- 機内食(スタンダードメニュー)※注意:ソウル線は機内食が含まれません。
2. Flex Biz(フレックス・ビズ)
預入手荷物は不要だけど、ルールは柔軟にしたい、という方向けです。
- 事前座席指定
- 機内持ち込み手荷物の増量(7kg → 15kgまで)
- 自己都合のキャンセルが可能(※次回の旅行に利用できるバウチャーによる払い戻し)※ソウル線では選択不可。
3. Premium(プレミアム)
手荷物の多い方、機内で少しでも快適に過ごしたい方向けです。
- 事前座席指定
- 機内持ち込み手荷物の増量(7kg → 15kgまで)
- 預入手荷物(1個・30kgまで)
- 機内食(スタンダードメニュー)
- アメニティセット(ブランケット、耳栓、アイマスク、スリッパ、ネックピロー)
ZIPAIRで快適に過ごすコツ、心得8選
1.飲み物を持ち込む
ZIPAIRではドリンクサービスはありません。機内でも購入可能ですが、離陸後機体が安定するまでは購入できません。より費用を抑えるためにもペットボトルや水筒の持参がおすすめです。私もいつも、保安検査の後に空港の給水スポットで水を汲んでから搭乗しています。空港でペットボトル飲料を購入する場合は、成田発の場合は保安検査を抜けた先にあるマツモトキヨシやセブンイレブン(混みます)、自動販売機で購入したほうが安く、逆にアメリカ発等の場合は空港で買うよりもむしろ、機内で購入したほうが安上がりです。
2.食べ物を持ち込む
機内食を頼む予定がない場合、1食では足りない場合は食べ物の持ち込みもおすすめです。私はいつもおにぎり※とお菓子を持ち込んでいます。お菓子は長いフライトで、気分転換になるのでおすすめです。
※食べきれなかった場合に備えて、原材料に肉のないものを選ぶと安心です。渡航先によりますが、肉製品は持ち込み禁止の国が多いです。
3.動画、電子書籍などを事前ダウンロードする
Wi-Fiは使用できますが、超高速Wi-Fi「Starlink(スターリンク)」搭載機体でない場合、LINEやX(画像の読み込みは期待薄)等のデータ容量の少ない通信しかできません。長時間フライトの際は、暇つぶしができるような事前準備が必要です。
4.充電コード、イヤホンも忘れずに機内手荷物に入れる
座席モニターがないことや、機内食やお土産の注文をスマートフォンから行うことから、モニターフルキャリアに乗る場合と比べて、電子機器の活躍頻度は高くなりがちです。充電コードやイヤホンを手元に置いておくのを忘れないようにしてください。
5.ネックピロー等の快適グッズ、ブランケットなどの防寒グッズを用意する
フルキャリアの長距離便と違い、ネックピローやブランケット等の備え付けがありません。普段からネックピローを使用している人は忘れずに持ち込むようにしてください。また、ZIPAIRの機内はほかの飛行機と比べてもかなり寒い印象があります。ブランケットやウルトラライトダウン等の防寒グッズを持ち込むのがおすすめです。そのほか、スリッパと耳栓もおすすめです。
6.手荷物オプションを事前購入する
ZIPAIRは手荷物ルールが厳格です。正しい数、重さの手荷物オプションを購入できているか、搭乗24時間以上前に改めて確認することをおすすめします。
7.おすすめはオンラインチェックイン
ZIPAIRは事前のオンラインチェックインが便利です。もちろん、当日カウンターでもチェックインできます。預入手荷物なしで搭乗する際は特に気軽です。
8.フルキャリアのサービスは期待しない!トラブルはつきものと考える
ZIPAIRはいい意味でも悪い意味でもLCCです。手厚いサービスや完璧な対応は期待すべきではありません。まだ私は経験したことがありませんが、ロストバゲージや欠航遅延等のトラブル対応はおそらくフルキャリアのほうが手厚いはず。「何かあっても大抵のことはLCCだから仕方ない」のマインドでいると自分自身が楽だと思います。また、大事な予定がある場合は、ZIPAIRではなくフルキャリアを選択する等、ZIPAIRとフルキャリアで使うタイミングを分けるのも大切だと思います。

飛行機でとにかく寝て過ごしたい私はZIPAIRが大好きです。ZIPAIRを利用するか悩んでいる方がいらっしゃったらぜひ一度、利用してみてください!

